「ごはん・お米とわたし」作文図画コンクール 「一粒への感謝」

一粒への感謝

世知原中学校 二年
前田 華奈

 

「ご飯は一粒も残さず食べなさい。お米の一粒一粒には千人の神様がいるんだからね。」私は、この言葉を小さい頃から毎日のように聞いています。でも、小さい頃は信じていたけど小学生、中学生になるにつれて、あんなに小さな米粒一つに千人もの神様がいるのかと疑うようになりました。

 私の家には、広い敷地の田んぼがあります。秋になると黄金色に輝く稲穂、そして秋を肌で感じさせる稲穂のにおい。私は、このようにステキな稲穂が育つ秋が大好きです。なので、私は秋になるとほのぼのした気持ちになります。
 しかし、私の父は秋になるととてもいそがしく、家に帰ってくると、とてもつかれたという表情をしています。何年か前までは、私の祖父と協力して農作業をしていましたが、祖父が病気になってからは、父が自分の仕事と農作業をかけもちしてするようになりました。秋にたくさん稲穂が育ったことに父はすごく大喜びしますが、その後の作業にいつもいそがしくします。秋になると、稲穂を刈ったり、イノシシが稲穂を食べに田んぼに来ないように夜見に行ったりととてもたいへんそうです。そんな父の姿を見て大丈夫かなと毎回心配になります。なので、私はある時父に
「どうして、そんなにたいへんな農作業を続けるの。何でそこまで一生懸命頑張るの。」
と言いました。すると、父は笑って
「それは、お米を育てることで得られるメリットがたくさんあるからだよ。」
と言われました。私は、考えました。お米を育てることで得られるメリット?そんなのあるのと思いました。すると、
「メリットはね、お米を育てることでいろんな人と交流できることと、助け合うことでおいしいご飯ができることだよ。」
と父から教えてもらいました。私には、その言葉の意味が分かりませんでした。
「なんで。どうして、交流と助け合いがお米と関係あるの。」
と私は父に聞き返しました。父は、
「農作業は一人でするなんてたいへんだろ。みんな仕事だってあるし。だから、ご近所さんや知り合いの人に手伝ってもらってるんだ。そのかわり、仕事が休みの日は互いに協力して農作業したり、農作業の相談をしたりしているんだよ。だから、お米を育てることでたくさんの人と知り合うことができるんだ。だから今食べてるこのご飯は、いろんな人がおいしくなれと思いを込めて一生懸命育ててくれたからこんなにおいしいご飯が食べれるんだよ。」
と言いました。私は、その時初めて知りました。お米は人と人とを結ぶかけがえのないかけ橋だということを。

 私は、この翌日に田んぼの近くを見てまわりました。そうすると、たしかに田んぼにはたくさんの人が集まっていました。みなさん一生懸命、助け合いながら農作業をしていました。私は、本当に田んぼはいいなと心から思いました。田んぼは、たくさんの人の交流の場でもあり、人を笑顔にさせてくれるステキな場所だなと思いました。

 私は、父の言葉をもう一度思い返すと、一度は疑った千人の神様も本当にいるんだなと思いました。なぜなら、たくさんの人の思いを受けとった神様がご飯の一粒一粒をおいしくさせてくれてるんだなと思ったからです。これからは、おいしさの神様とたくさんの方々に感謝をして、一粒一粒を大切に食べていこうと思いました。