ぼくのお父さんは消防士です。お父さんはいつも大きなバクダンおにぎりを2つ持って仕事に行きます。お昼ご飯や、晩ご飯がゆっくり食べることができないので、早く食べることができるように、おかずをつめたバクダンおにぎりにしているとお母さんが言っていました。幼稚園の遠足の時に、お母さんが風邪をひいてしまったので、お父さんがお弁当を作ってくれました。台所に立って慌ただしくしているお父さんを見て、楽しみよりも、不安が勝ち、お弁当ができるまで、ドキドキしていました。「よし、出来た。」満足そうな顔でお父さんが声を上げたので、恐る恐る台所へ行くと、バクダンおにぎりが2つ目に入りました。「えー、今日遠足で友達もおるけん、バクダンおにぎりとか嫌だ。」と言ったぼくに、「食べてみればびっくりするけん。友達もうらやましがるぞ。」と不てくされたぼくに言いました。遠足に持って行く、水筒とシート、あとお父さんの作った「バクダンおにぎり」をリュックにつめこみ遠足に行きました。お昼になって、友達と食べる場所を決めて、先に取り出した友達のお弁当は、卵焼きや、ブロッコリーが入ってたおいしそうな弁当でした。「ぼくもお母さんが風邪を引いていなかったらよかったのに。」ぼくは心の中で叫びました。リュックからお父さんの「バクダンおにぎり」を取り出し、友達に見せると、「すげー。めっちゃおにぎり大きいやん。おにぎりの中何が入っとると。」と友達が興味深々に聞いてきました。ぼくにとっては見慣れたバクダンおにぎりは、友達から見れば珍しかったようで、ぼくのシートの周りには友達がたくさん集まっていました。おにぎりの具は3つの角に、からあげ、卵焼き、ウインナーが入っていて、真ん中にはシーチキンマヨネーズが入っていました。一口食べるたびに、「何が入ってた。」10長崎県教育委員会教育長賞お父さんのおにぎり島原市立第二小学校6年香月優志
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