JA島原雲仙営農部はこのほど、南島原市有家町内にある高田敏幸さんのブロッコリーの圃場で、収穫機械によるブロッコリーの一斉収穫の実証試験を行いました。「農家は作るだけ、収穫はJAで」という新しい営農モデルを模索します。
加工・業務用ブロッコリーのほぼ全量が輸入物という現状の中、「国産にも戦略のチャンスあり」と3年前の2018年、JA全農ながさき、島原振興局の協力のもと作付け試験を始めました。面積拡大、農家の労力軽減を図るためには機械による一斉収穫が不可欠として、自動収穫機について検討していました。
今回、実証に使ったヤンマーHB1250機は、3条刈りコンバインから発展し、キャベツ、ハクサイと進化して、ブロッコリー用に改善されたもの。乗用型で前方にオペレータが1人、後方に補助員2~3人が乗車。回転するベルトでブロッコリーの茎をつかんで引き抜き、茎葉を切りながらコンベアで搬送します。補助員が形状を整えコンテナに詰めれば収穫完了。10㌃の圃場の場合、補助員の数にもよりますが2~3時間で作業を終了でき、人力のみと比較すると6~8倍の能力があると言われています。
同部の林和昭次長は「10㌃あたりの収穫量が採算ラインに届いておらず、品質についても花蕾(からい)のゆるみや病気などで出荷の基準に満たないものがあり、歩留まり率の向上は不可欠。成長の度合いに応じて収穫する青果用と異なり、加工・業務用は一斉収穫を目標とすることから、生育のバラつきをなくす事が一番の課題」と話しています。