入選「『壱岐島から発信する未来の米づくり』」

「壱岐島から発信する未来の米づくり」

壱岐市立勝本中学校 1年

 野元 理彩

「後何年程壱岐の米作りはできるかな?未来の壱岐の米作りが心配だなあ。」

これは私が住んでいる壱岐の島で米づくりをしている私の祖父の言葉である。

私が住んでいる壱岐の島は、雄大な自然に囲まれた、自然豊かな島である。その壱岐島の特産物の一つが島で収穫されるお米だ。私は、生まれ育った壱岐の島で作られたお米が大好物だ。壱岐島で作られたお米を使って炊いた炊き立てのご飯は、ピカピカでつやがあり、真っ白でおいしい香りがする。日本一のお米と自まんできる。そんな自慢できる米作りがどうして続かないのか?それが、気になって、祖父に詳しく聞くことにした。すると、このような答えが返ってきた。

「壱岐の島は、人口も減少しており、米作りを引き継ぐ若い後継者が少ない。米作りをしている人のほとんどが高齢者で、このままでは、壱岐島産のお米はなくなってしまうのではないか。」

というのである。私は、この壱岐島産のお米を後世に引き継ぎ守っていくためには一体どうしたらよいのか真剣に考えるようになった。若い人は壱岐にはいるもののなかなか、米作りをする人は増えない。しかし、お米を食べる人は島にはたくさんいる。田んぼもたくさんあるが最近では使わなくなった田んぼも見られる。一体どうしたらよいのだろうか。

秋になり、稲穂が小麦色に輝き始めるころ、私の家の畑にヘリコプターで農薬を撒く作業が行われた。その光景を見て

「あっ、これだ。」

と思った。ヘリコプターの様に、たくさんの人手を使わずに、これからの時代の中心になるだろうAI技術を駆使した米作りができないだろうか。例えば、AIが自動で田畑の面積を測り、必要な苗を計算し田植えをする。また、AIが二十四時間カメラを活用し、稲の状態を管理する。水が必要になれば、地下水からボーリングで水を汲み上げる。万が一病気になった場合にも、稲を元気にする薬を投薬していく。もちろん、人に害を与えないような薬をAIが開発するのである。そして、稲刈りも、人が機械を運転し操縦して稲を刈ったり、掛け干しする際には大勢の人で行ったりしている。それもAIが行えば、たくさんの人手が要らずに済むのである。また、米作りで問題になっている米の作りすぎで米が余ってしまう問題も、AIが必要な米の量を計算することで解消できるのである。

この話を祖父にすると、

「それはいい考えだね。これが実現すれば壱岐の米作りを守っていける可能性がある。ただ米作りは、最後は人間の手と心が大切になるよ。お米も生き物だからね・・。AIと人間との共同作業になるね。」

祖父の話を聞き私は思った。確かにAI技術を駆使しても最後に決定をするのは人間なのである。米作りに必要な、米を大切にする人間の心は必要不可欠である。

これからの数十年先未来のことは予測がつかない。壱岐の島の人口や米作りもどうなることかわからない。しかし、何とかして米作りを守る気持ちはもち続けなければならない。私は、将来祖父の仕事を受け継ぎ、米作りの後を継ごうと考えている。米作りの大切さ、壱岐産のお米の素晴らしさを島の人々や島以外の人々に伝えていきたい。そのためには、米作りについて学ばなければならない。幸いにも私には身近に米作りを学べる祖父がいる。まずは祖父に話を聞きながら、米作りに今まで以上に関わっていきたいと思う。手伝いをして、米作りの素晴らしさを肌で実感し、そのことを人々に伝えていきたい。また、AI技術を駆使できるような勉強もしていきたい。そして、いつの時代になっても後世に引き継がれる壱岐島産のお米を守っていけるようにしていきたい。