入選「私がごはんを好きになったきっかけ」

「私がごはんを好きになったきっかけ」

西海市立雪浦小学校 5年

宿輪 亜心

私は、小さい時ごはんが好きではありませんでした。私には味覚過びんという病気があります。固まりのお肉や、冷たすぎるもの、口の中に残るもの、ねばねばしたものが苦手で食べることができませんでした。

とくに苦手だったのはごはんです。どれだけかんでも口の中にごはんの粒が残ります。たくさんかむと、今度はねばねばしてきて、のみこむことができませんでした。味も好きではなかったです。それにくわえて手の不器用さもあった私は、ごはんの粒をおはしでつまむのもとてもきらいでした。なので、保育園の時はおにぎりにしてもらったり、ふりかけをかけてもらって食べていました。

小学校に入ってからは、どうにかおにぎりや、ふりかけなどがなくてもごはんを食べれるようにはなってきました。それでもまだ、ごはんのことはあまり好きではありませんでした。なので給食の終わる時間までに食べ終わるのが難しく、ごはんやおかずをへらしてもらっていました。

私が小学校三年生になったとき、全校の親子レクリエーションで一年かけてお米を育てることになりました。まずは田植えをしました。土がぬるぬるしていて、いねをまっすぐ下まで植えることが難しく、とても大変でした。それでも田植えが全て終わったときに見たいねは、とてもきれいにならんでいて、大きく育ってほしいと思いました。

夏休みに入り、私はバレー部だったので、走って田んぼまでいねの成長を見に行っていました。見に行くたびに、いねはぐんぐん大きく育っていました。バレー部のみんなで、

「食べるの楽しみだね。」

と話をしました。私はごはんがあまり好きではないけれど、自分で植えたいねの成長を見るたびに、食べるのが楽しみで、わくわくしてきました。

二学期になり、いよいよいねかりです。カマを使って手作業でいねかりをしました。いねは思っていたよりも固く、カマで切るのはとても大変な作業でした。切った後のいねはしばって、竹で作った台にほしていきます。あとはいねがかんそうしたら、だっこくして、さらに精米をして完成です。いねをかったらすぐ食べれると思っていたので、まだ食べれないことにびっくりしました。

十二月になって、ようやくお米を食べる日が来ました。お母さんたちがお米でおにぎりを作ってくれました。味がなにもついていなかったので、私はどきどきしながら一口食べました。何もつけなくても、そのおにぎりはとてもおいしくて、私は三個も食べていました。ごはんが好きになったしゅん間でした。

お米を育てて食べてから、私はごはんが大好きになれました。今ではおかわりすることもあります。小さいころの私へ。

「ごはんって、おいしい。」