ながさき県央 大正からの伝統守る

JAながさき県央中部営農センター管内の大村市でこのほど、同市の特産「黒田五寸ニンジン」の収穫がありました。

今年産も同センター管内の生産者で組織する農事組合法人長崎県黒田五寸人参原種育成会と同JAは、約10.8㌧(うち種子用800㌔)を収穫。同会の田中清實会長によると、年々種の需要が高まり、昨年より原種の定植数を約2割増やしたとのことです。

同日、会員、作業員、同JA職員ら計20人が収穫作業にあたりました。今年は発芽が順調でしたが、例年にない長雨や台風後の干ばつで定植の遅れや芽の形状が悪くなるなどの事態にあいました。会員は適期管理を徹底し、種子用と青果用ともに数量を確保しました。

「黒田五寸ニンジン」の主な特徴は①色が濃い②肉質が柔らかい③そのまま搾ってジュースにして飲めるほどの甘みです。

消費者からの人気は高いですが、今年「黒田五寸ニンジン」を作付けした人数は、わずか4人。同会発足当時は会員が100人近くいましたが、出荷時に割れやすく栽培も難しいため生産者は減少の一途をたどっています。大正末期から続く歴史ある品種を守ろうと、少ない会員で毎年栽培し続けています。

田中会長は「後継者不足と高齢化が長年の課題。今後もメディアを通じてPRを図り、ニンジンの種を残していきたい」と話しました。