妹のもちふみ
壱岐市立霞翠小学校 四年
野元 理彩
「せーの。よいしょ!おめでとう!。」
今年の7月に妹の一才のたん生のおいわいで家族みんなで「もちふみ」をしました。もちふみは、一才になった子供をいわうために、わらぞうりをはいて鏡もちをふむという行事です。私が住んでいる壱岐では、昔から行われています。私も小さい頃同じようにしました。特に、今年の妹のもちふみは、今までよりも特別な思いがありました。なぜなら、このおもちの原料となるもち米は、私の家族みんなで妹のたん生をいわうために、一年間気持ちをこめて作ったお米だからです。
去年の三月に、お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいることを教えてもらいました。うれしくて、家族みんなで喜んだことを覚えています。その時、おじいちゃんがいいました。「今年は、赤ちゃんが生まれるから、もちふみをする時の、もち米を作ろう。理彩ちゃんも手伝ってね。」
私は、その時初めて、おもちの原料がお米であることを知りました。そして、妹のために私もがんばろうと心に決めました。
田植えから、いねが育つまでは、私は早くいねができないかとワクワクしていました。おじいちゃんが田んぼの管理で水の出し入れをしていました。おじいちゃんは朝早く水を出すために田んぼに出かけていました。私も早く起きて、おじいちゃんとトラックに乗って水出しのお手伝いをしました。おじいちゃんは足が悪いので、私が水出しのお手伝いをした時には、とても喜んでくれました。私は、おじいちゃんが喜んでくれてうれしかったし、妹のもち米を作るために、いつもよりがんばれたと思いました。
「今年は、早起きだね。」
と家族みんなに言われ、うれしかったです。
夏になり、いねも育ち始めた時に、台風が来ました。私は、この時初めて台風が、お米作りにはいやなものだと知りました。私も「台風こないで!」と心の中でさけびました。
秋になると、すくすくといねが育ち、小麦色になりました。そして、いよいよ私のお手伝いがたくさんできる時が来ました。いねかりです。おじいちゃんがきかいでかったいねを、竹の柱にかける仕事です。私は、いねをお父さんやおじいちゃんにわたす仕事をしました。最初は元気よくしていたけれど、だんだんきつくなりました。お米作りがこんなに大変なものだと初めて分かりました。
こうして、今年の七月の妹のたん生日にもちふみを家族全員が作ったお米でしました。おもちも家族みんなで食べました。何だか、いつもよりおいしくてお代わりをたくさんしました。
今年も私の家では米作りをしています。来年はもちふみはないけれど、お米作りを手伝おうと思います。そして、お米を食べて、私も妹も家族も元気になれたらうれしいです。