第44回「ごはん・お米とわたし」作文図画コンクール 『お米の味』

お米の味

壱岐市立芦辺中学校 二年
馬渡 彩羽

 祖母の家に行くと、祖母がお米や野菜をダンボールにつめているのを見かけた。遠いところに住んでいるおばから、
「お米がなくなりそうだから送って。」
と祖母に連絡があったそうだ。祖母は食料品をたくさん詰めて、宅配便の受け付けへと出かけていった。
   私には二人のおばがいる。二人のおばは既に結婚している。でも、祖母や祖父のお米をつくる量は昔と変わっていない。おばたちはお米がなくなりそうになると祖母の携帯に連絡してくる。すると祖母は、
「はいはい。わかったよ。」
と言いながら嬉しそうにお米を詰めて送っている。私は、おばたちは実家でお米をつくっているので、買わなくて済むから頼んでいるのだろうと思っていた。
   そんなある時、祖父の妹から電話がかかってきた。里帰りをしたときに食べた我が家のお米がおいしかったので送ってほしいということだった。祖母はすぐに、「よかよ」と返事をしていた。私はその話を聞いて、我が家のお米はつやつやでもちもちしていて噛むと甘味が口いっぱいに広がるような所がおいしいんだなと思った。それから数日後、祖父の妹さんから連絡がきた。
「おいしいお米ありがとうございました。とてもつやつやもちもちでおいしかったです。安心して食べることができました。」
というお礼状が添えられていた。私はそのお礼状を読んだとき、我が家のお米は「つやつや」や「もちもち」だけでなく「安心」というイメージがついているんだなと思った。
   毎年、秋になると、新米が食卓に上がる。ある日、新米が夕食に出てきた。すると父が、
「お米かえた?つやつや感が増してるけど。」
と母に聞いていた。そのときまで母は新米でも、新米ではなくてもそれほど味は変わらないだろうと思っていたそうだ。私は父の言葉を聞いて、お米の味は、新米か新米じゃないか分かるほど変わるんだなと思った。私も、新米だと前とくらべてつやつや感やもちもち感が増している気がする。
   日頃、何気なく食べているお米の味を、人間は覚えていることに驚いた。きっと、父もおばたちも昔からずっと食べていたお米の味を大人になっても覚えていて、そのお米の味が好きなんだろうなと思った。だからお米の変化に気づけたり、無くなると祖母に送ってほしいと連絡したりするのではないだろうか。
   私もお米がなくなると祖母の家に行ってもらっている。たまにお米がなかなか減らない時がある。お米がなくならないと祖母の家にお米をもらいにいけない。祖母はなかなかお米をもらいにこない私達を心配したのだろう。
祖母から、
「お米はたくさん食べよるで?」
と言われた。
   そのとき私は、お米をもらいに行くということは祖母にとって「お米をたくさん食べよるよ。元気かよ。」という合図なんだろうなと思った。だから、私はお米をたくさん食べておばあちゃんに「元気だよ」と伝えたいと思う。もし将来一人暮らしをするようになってもお米を通して、ずっと祖母や家族とつながっていたい。地元を離れても、「自慢のお米の味」を忘れないようにしたいと思う。