「黒田五寸人参」の原種守り続ける

農事組合法人黒田五寸人参原種育成会は7月上旬、大村市鬼橋町にある種子加工場で同市の特産「黒田五寸人参」の種子約160㌔を加工しました。

作業員が種子を毛除機にかけ、枝や花の軸が混在していないかを目で確認し、時間をかけて細かく手作業で取り除きました。加工された種子は、カビの発生を防ぐために冷蔵庫で保管します。

「黒田五寸人参」は、柔らかい肉質や糖度が高く甘いことが特徴。6月に花が咲き、交配によって花同士が受粉すると花自体が種子になります。開花時に雨が多く降ると種子が小さくなり、天候が良いと十分な大きさの種子になるそうです。

2021年産の種子は雨が多かったものの、排水対策や薬剤散布を行い、天候が回復したことで十分な大きさとなりました。

育成会が設立した1947年は構成員が60人ほどいましたが、高齢化の影響が大きく、現在は6人まで減少。今や6人は「黒田五寸人参」の原種を守り続ける貴重な存在です。

田中清實会長は「手間と時間をかけて種子の加工を行っている。多くの人に『黒田五寸人参』を知ってもらえるように伝承していきたい」と話しました。