全国農協青年組織協議会(JA全青協)は22日、オンラインで第68回JA全国青年大会を開催し、全国のJA青年部員ら約1500人が参加。若手農業者11人が農業経営や青年部活動にかける思いを発表しました。
「青年組織活動実績発表」ではJA島原雲仙青年部南串支部の田島幹生さんが「この味を未来へ」と題し、ジャガイモ「デジマ」の復活に向けた活動を紹介。最優秀賞である千石興太郎記念賞に選ばれました。
「デジマ」は、かつて地元で主流品種として栽培されていましたが、栽培が難しいことや収量が低いことから農業経営を成り立たせるために、高収量・安定収入につながる品種への転換が進められ、年々栽培農家の数は少なくなり、今では幻の品種とさえ言われています。
しかし、見た目の美しさやおいしさから根強い人気がある「デジマ」。田島さんは、ジャガイモの価格低迷に伴う離農や他の露地野菜への転作に危機感を持ち、仲間とともに地元の収穫祭で幻の品種「デジマ」の販売に挑戦しました。品種特有の栽培の難しさから目標収量に達しないなど困難もありましたが、収穫祭では瞬く間に即完売する「デジマ」の根強い人気を実感し、本格的に復活プロジェクトを立ち上げました。仲間と何度も会議を重ね、生産面・販売面・PR面の三本柱を軸にアイデアを出し合いながら“南串のデジマ”を継承していく夢に向かってプロジェクトを続けました。努力の甲斐あって、年々「デジマ」を作付けする仲間も増え、市のふるさと納税返礼品となるなど収穫祭以外でのPRも進んでいます。今後も生産・販売・PRの見直し改善に注力しながら後継者への伝統継承と産地の発展につなげていきます。