イチゴの経営分析 個別面談、支部員の8割が受ける

【島原雲仙】JA島原雲仙の国見地区営農センターは11月29日、雲仙市国見町でイチゴ農家の所得向上を目指した個別経営指導面談を開きました。同JAなんこうイチゴ部会土黒支部の部会員55人のうち、8割に当たる44人が参加。
農業所得10%アップに向け、営農指導の充実と強化を図る同JAの取り組みが農家に浸透しつつあります。加えて、同センター職員にとっては、面談が今後、農家とつながる足がかりとなり、さらに自己の意識改革のきっかけにもなればと期待されています。
農家1軒当たりの所要時間は30分程度で、同JA職員のほか、島原振興局、中央会らも交え、簡易分析シート(販売実績や単位面積当たりの収入・収量をグラフ化)を示しながら面談しました。平成29年度産の出荷・販売実績などを確認し、シーズン中でも特に出荷量の少ない時期があれば、その原因を究明し、解決策を検討。規模拡大も含め今後の方向性についても、個々の現状を踏まえた上でアドバイスを行っています。
同部会は今年度、出荷量1000万パック、販売高33億円を目指す全国有数の産地。部会員は266人。個別面談は昨年も開催。対象は各支部の役員らを中心に28人でスタートした。参加した土黒支部の農家から「自分の成績を全体と比較し確認することで改善策が見つかる。全員を対象にした面談の機会を設けて欲しい」との要望が上がっていました。
夫人を伴って参加した同町内の栗原将史さん(41)は「個別面談は、経営を客観的に見つめ直し、改善につなげる新しい試み。部会全体では人数が多く一気に開催という訳にはいかないが、他の生産者も機会を作り、ぜひ受けて欲しいと思う」と話しました。
同センターの竹田里光センター長は「個人面談が農家の経営改善にとどまらず、職員と農家の架け橋になることを期待する」と話しています。

写真説明=指導を受ける栗原さん夫婦